「タフだった」。EUのフォンデアライエン欧州委員長は合意後の記者会見で、約3カ月の交渉をそう振り返った。「厳しい」「つらい」という意味の「タフ」という言葉を、何度もくり返した。 米国が中国に次ぐ貿易赤字を抱えるEUに対し、トランプ氏は一貫して「米国を搾取している」などと批判。日本などとは異なり、公然と対米報復関税をちらつかせてくるEUに、いらだちを隠さなかった。 交渉では、EUは早くから工業製品の

【ワシントン＝田中宏幸、ブリュッセル＝秋山洋成】米国のトランプ大統領と欧州連合（ＥＵ）の執行機関・欧州委員会のフォンデアライエン委員長は２７日、貿易交渉で合意したと発表した。米国はＥＵに課す「相互関税」の税率を事前通告の３０％から１５％に引き下げる。日本に続いて主要な貿易相手との協議が決着し、米関税措置を巡る一連の動きは大きな節目を迎えた。

トランプ米大統領と欧州連合（EU）の行政執行機関トップのフォンデアライエン欧州委員長は27日、英北部スコットランドのターンベリーで会談し、自動車を含むEU製品にかける米国の関税を15％とすることで合意した。直前まで米政府が示していた30％からは大きく引き下げられる。 　一方でEUは天然ガスなどの米国産エネルギー製品を7500億ドル（約110兆円）相当購入することや、6000億ドル規模の対米投資を