［カイロ／ガザ　１６日　ロイター］ - パレスチナ自治区ガザ地区の保健省は、１６日のイスラエルの攻撃により少なくとも４０人が死亡したと発表した。そのうち半数は、米が支援するガザ人道財団（ＧＨＦ）の援助物資配給拠点付近での犠牲者だという。イスラエルによる援助物資配給の方法を巡り、国連当局者らの間で非難の声が高まっている。 医療関係者らによると、ガザ地区最南端のラファにある援助物資配給所付近で少なくとも２０人が死亡、２００人が負傷。国連は、ＧＨＦによる物資の配給は不十分かつ危険であり、人道的公平性の原則に反すると非難している。

パレスチナ自治区ガザの保健当局は15日、イスラエル軍の攻撃により65人が死亡したと発表した。また、人道支援物資の配給所周辺での攻撃による死者数は累計300人になったとしている。 パレスチナ自治政府の通信社WAFAによると、ガザでは15日、北部ガザ市や中部ヌセイラト、南部ハンユニスなどの各地でイスラエル軍による空爆があった。ガザ保健当局は、イスラエル軍が同日、食料を求めて配給所へ向かっていた市民26人を殺害したとした。これにより、米国主導で設立された団体「ガザ人道財団」（GHF）による物資の配給が始まった5月末以降、配給所周辺での死者数は計300人、負傷者数は2649人になったという。（イスタンブール=根本晃）

パレスチナ通信は16日、イスラエル海軍がパレスチナ自治区ガザ北部ガザ市沖でボートを攻撃、パレスチナ人の漁師2人が死亡し1人が行方不明になったと報じた。ガザ南部では人道支援物資の配給を待っていたパレスチナ人3人が殺害され、少なくとも20人が負傷した。 ガザでは、イスラエルによる人道支援物資の搬入制限が続いており、人道危機が悪化の一途をたどる。ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始後のガザ側死者は5万5300人以上。（共同）